染屋の従業員ブログ #2

小川染色は、愛知県一宮市にある小さな染色工場です。

『糸は色で豊かになる』の企業理念の元、無色の状態で届いた生地に色を乗せ、毎日たくさんの糸を出荷しています。

最近ではありがたいことに、工場見学をしたいというお問い合わせを多くいただくようになりました。

繊維や染色に興味のある方がいるのであれば、現場の声も発信してみよう!ということで従業員ブログを始めました。

目次

ワインダーについて

こんにちは。小川染色でワインダーと配達を担当しているイチカワです。

ワインダーとは、巻取り機や糸巻きのことを指します。

実家がワインダー屋で幼い頃から身近に糸があったこと、家族全員繊維業界の仕事をしていたことなどから、自然な流れで私も繊維の会社に就職。いくつかの会社を経験し、小川染色にたどり着きました。

さて、糸の染色には『チーズ染め』と『綛染め』があります。

この染色方法によりワインダーの内容も異なるため、それぞれ説明をします。

チーズ:染色用ボビンに巻きつけた糸
綛:輪状に結束した糸

チーズ染めの『前巻き』

チーズ染めの場合は紙管に巻かれている状態で入荷するため、染色前にプラスチックボビン(PPコーン)へ巻き直し、染色できる状態に準備する必要があります。

このときのワインダー作業を前巻きといいます。

糸の素材により、硬さや大きさなどの巻き具合変えています。

例えば、硬く巻くと染液が浸透しづらかったり、緩く巻くと巻きが崩れてしまい染色やその後の加工に影響が出てる可能性があるためです。

同じ様に巻いていても気温・湿度により巻き上がりが異なるため、経験やデーターを元に染色に適した巻き方をしなければいけません。

前巻き(ソフトワインディング)
前巻き(ソフトワインディング)

綛染めの『後巻き』

綛染めの場合、綛のままの状態では絡まりやすかったり嵩張ることにより使用できないため、染色後に紙管に巻きます。

このときのワインダー作業を後巻きといいます。綛で染めた風合いの良い糸を、丁寧に巻き取っています。

後巻き(リワインディング)

地味で目立たない作業ですが、染色にはなくてはならない大事な工程です。

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