染屋の従業員ブログ#05
小川染色は、愛知県一宮市にある小さな染色工場です。『糸は色で豊かになる』の企業理念の元、無色の状態で届いた生地に色を乗せ、毎日たくさんの糸を出荷しています。
最近ではありがたいことに、工場見学をしたいというお問い合わせを多くいただくようになりました。
繊維や染色に興味のある方がいるのであれば、現場の声も発信してみよう!ということで従業員ブログを始めました。
トップ染めとは
こんにちは。私は小川染色で「トップ染め」を担当しています。今回はトップ染めとは何か、どんな特徴があるのかをご紹介していきます。
まずトップ染めとは、スライバーを染色することを言います。スライバーとは、「わた」を棒状の均一な太さにしたものを指します。
スライバーをトップ染めすることにより、複数色混ぜ合わせることができるため味わいと深みのある糸を作ることができます。高級ニット・手芸糸などに使用されています。
トップ染めの工程
トップ染めの工程は大きく分けると3つです。
まず1つ目は、前巻き。染色前の準備として、スライバーの原料を色の調合に必要な量だけ計算し、新たに巻き直します。
染色に適した形にするためにプレス機を使ってスライバーを紐で縛ります。
2つ目は、約10kg前後のトップを染色用のかごに入れて染色します。
3つ目は、染色後のトップを、ミキシングギルという機械で色の混ぜ合わせをします。
トップ染めの特徴
トップ染の特徴は、染色堅牢度が良く、多色をブレンドすることができるので、独特な深みのある色になります。
写真の一番左が3色を混ぜ合わせる前の状態です。トップ試験機という機械に繰り返し通すことで、真ん中、右のように色がより均一に混ざっていきます。
小川染色で使用している機材は、1955年製造の大変歴史のある機械ですが、毎日元気に働いてくれています。