染屋の従業員ブログ#06
小川染色は、愛知県一宮市にある小さな染色工場です。『糸は色で豊かになる』の企業理念の元、無色の状態で届いた生地に色を乗せ、毎日たくさんの糸を出荷しています。
最近ではありがたいことに、工場見学をしたいというお問い合わせを多くいただくようになりました。
繊維や染色に興味のある方がいるのであれば、現場の声も発信してみよう!ということで従業員ブログを始めました。
チーズ染色の準備
チーズ染色(ブログ#3で紹介)のサポートをしています、タキといいます。
仕事内容はチーズ染色の準備・乾燥・荷造りです。一つずつ説明していきます。
染色前準備は、染色カードの指示に従い原糸名、番手、ロットを確認の上キャリヤーと言われる染色用の台に指定の本数をセットするのが仕事です。
この時、糸に汚れ等の異常がないか注意しながら作業を進めます。また、複数の番手、ロットの糸を一度に染色するための準備をする場合は、染色後に区別できるように目印を付けておくことが大事です。
チーズ染色の乾燥
チーズ用の乾燥機はとても大きいです。
大きな染色釜で染めたものはそのまま乾燥機に入れますが、少量の糸(63kg以下)を小さな染色釜で染めた際は乾燥機内のスペースが余り過ぎてしまうため、一度大きなキャリヤーに入れ替えてから乾燥をします。
この場合は乾きやすいもの、乾きにくいものなど色々な素材が一緒になるため、乾燥温度、時間をその都度しっかり調整する必要があります。
チーズ染色の荷造り
乾燥後は染むら、汚れがないかチェックしながら荷造りをします。
素材、色、数量などに注意しながらダンボールに入れていき、PPテープを巻き付けて出荷準備が完了です。
トップ染色の前準備
トップ染色とは、スライバー(棒状の均一な太さにした綿(わた))の染色を指します。
トップ染色専用のキャリヤーにスライバーをセットします。
チーズ染色用のキャリヤーは先端が三ツ矢の棒がついており、ここに指定の本数を通していきます。
トップ染色用のキャリヤーはチーズ染色用とは異なり、バスケットの中に紐で縛ったスライバーを中に入れるのですが、この時しっかり詰めるためプレス機で上から圧力をかけます。
トップ染色の乾燥
トップ染色の乾燥には特に注意が必要です。品名によってかなり乾きにむらがあるため、時間と温度に注意しています。
トップ染色は実は開始して2年ほどです。
当初は乾燥の際にフェルト化(繊維がくっついて固まる状態)したりして苦戦しました。
試行錯誤を繰り返し、現在はインバーターで周波数を制御しスムーズで正確な作業ができるようになりましたが、更に効率よく綺麗に乾燥できるよう努力したいと思います。