染屋の従業員ブログ#04

小川染色は、愛知県一宮市にある小さな染色工場です。『糸は色で豊かになる』の企業理念の元、無色の状態で届いた生地に色を乗せ、毎日たくさんの糸を出荷しています。

最近ではありがたいことに、工場見学をしたいというお問い合わせを多くいただくようになりました。

繊維や染色に興味のある方がいるのであれば、現場の声も発信してみよう!ということで従業員ブログを始めました。

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ビーカー試験

こんにちは。かせ染めとビーカー試験を担当しています、ヨシダです。工場内の配管等の修理と毎日の朝礼でのオヤジギャクも私の担当です。よろしくお願いします。

今回はビーカー試験についてご紹介をします。
ビーカーとは、お客様から指定された色を最初に作り出す調色を示します。以前は実験用の試験容器のビーカーが使用されていたことから、ビーカー試験と言われるようになりました。

ビーカー専用機械

使用する道具

弊社ではステンレス製の約300ccのポットと呼ばれる容器を使用しています。

本番染色前に試験的に染色をするため、5〜10gの本番と同じ糸を使用し、依頼主から来る希望の色に合わせます。


まず見本に近い色を過去の染色データの中から探し、近い色がない場合はCCM(コンピューターカラーマッチング)という測色専用機械で色の詳細を確認します。


この作業で使用する染料を決定するのですが、これには高い経験値が必要です。私は染色歴は40年、ビーカー作業歴は10年程ですが、当初は思い通りの色にするのが難しく、苦労したことを覚えています。

300ccのポット
CCM(測色専用機械)

染色の重要な工程

同じ染料でも綿、レーヨンなどの素材により色の出方が異なります。混紡品の場合はそれぞれ素材の数だけ染色しなければいけません。
何回か染めて、見本に近い色が出来たら依頼主に見せます。OKがでれば本番染色に取り掛かり、OKが出なければ再ビーカーをします。

ビーカー試験をすることにより染料の限界を超えた再現できない色や、光源の違いによる演色、堅中度などがわかります。


もともと本番の前に行う作業ですが、本染めの追加もビーカー試験をすることでスムーズに進めることもあります。

自然由来の繊維の染色にはトラブルがつきものですが、それをなくすため、少しの糸で染めるビーカー試験は重要な工程であります。

染料

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